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sometime,somewhere...
Posted by sammy - 2010.03.10,Wed
空港から直行で向かったその日の朝も、「ピーが出る宿」はフリーの朝食をとる人たち、チェックアウトをする人たちで狭い1階のフロント前スペースはごった返していた。

そんな忙しいフロントを切り盛りしていたのは宿のママ。
飛び込み客の僕に用意してくれたのは4階にある900バーツ(約2475円)のトリプル・ルーム。
他に空いている部屋がなかった初日こそ、このベッドが実に3つもある広い部屋を独占する形で使ったが、やはり、広すぎるトリプル・ルームは贅沢な上に不釣合いだし、何よりも寂しさを感じてしまう。
2日目以降は一番安い500バーツ(約1375円)の部屋に空きがあると言うことでその部屋が空き次第、移らせてもらった。
この移ったシングル・ルームは「バス、トイレは部屋の外」と言う一番安いクラスの部屋だったが、実際に入ったその部屋は清潔なトイレが室内にあり、同じく無いはずのシャワーは外側のドアを開けたベランダの隅にあった。

僕は最初、ママが間違って値段の高い650バーツのバス、トイレ付きの部屋を僕に案内してしまったものだと勘違いをしてフロントまで差額を支払いに行ったが、再確認してくれたママはそのままで間違っていないと言う。
後になって知ったことは、ベランダまで付いているこの4階の500バーツのシングル・ルームは、確かに部屋の外にシャワーがあるから扱いとしては「バスは部屋の外」になるらしい。
しかし、それにしてもこの411号室は500バーツとは思えない素敵な部屋だ。
部屋の前には外光差し込む廊下に、さりげなくオブジェのように数冊の本が置かれたテーブルとイスがあり、部屋には古いながらもベランダもエアコンも、トイレもホットシャワーも付いて1泊約1375円である。
しかも、立地的には首都バンコクの中心部でもあり、モノレールの駅へも歩いて2,3分と言う便利さだ。


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basic single room


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reading space on the corridor


ベランダのある外側は細い路地のようなソイ9に面していて、すぐ向かいにはアパートのような雑居ビルがあったが、こちらのプライバシーが確保されるかのようにベランダの一部には簾もかかっている。
これだったら女性でも安心して外にあるシャワーを昼夜問わず何度も浴びれるだろう。
否が応にも汗が吹き出るバンコクで、まさにタイ人そのものに1日に何度もアウトエアーの中、「サバーイ、サバーイ」とシャワーを浴びれることはこの上ない至福でもある。
ベランダの向こうは生活を垣間見るような静かなソイに面していたことから、居ながらにして庶民的なバンコクそのものも感じられる、まさにお気に入りの部屋だった。


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graffiti on the wall


3泊4日の滞在中は幾人もの旅人とも知り合えた。
共にマッサージ・スクールへの勉強も兼ねて滞在していた日本人のミホさんとNY在住が20年にもなるというヒトミさん。
2人は共に1週間以上ここに滞在していながら、僕がチェックインをした朝まで顔を会わせることがなかったらしい。
何とも不思議であり、出会いとは偶然なのかもしれない。

2日目の朝の混み合った朝食のテーブルではメキシコ南部サンクリストバル・デ・ラス・カサスから来た母娘ラブラさん、バレンティーノさんと一緒だった。
2人は今朝方チェンマイから列車でバンコクへ到着したばかり。
日本のお寿司が大好物と言うことでMBK(マーブンクロン)にある回転寿司屋を紹介したらさっそくその晩、食べに出かけたらしい、お寿司大好きのメキシカンだった。

同じく2日目の夜には深夜の階段で三脚を立てて、落書きで埋まった壁をバックに写真撮影をしていた北京在住のレンさんと言う中国人女性としばしの写真談義になった。


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Valentina(dau.) and Lavra(mom)


世界中からいろんな旅人がやって来るホステルは、ふとしたことから出会いが生まれることもあれば何もなく、ただ滞在しただけで終わる事だってある。
そして、いつかの出会いが再会へと繋がることもある。

宿の娘アンニャさんは僕が宿泊していた去年の8月31日、ここでささやかなバースディ・パーティーを行っていたが、その時ご馳走になった日本のカレーが縁で、僕が再訪した11月にはお返しに持参したカレー・ルーで再びカレーをご馳走になり、さらにはその記憶のおかげでママもスタッフも僕のことを憶えてくれている。
そのアンニャさんが留学先のフランスから学校の休みを利用して里帰りしていた。

「お元気でしたか?」

横浜に1年間留学経験のある彼女の日本語は発音もしっかりとしている。
彼女はこの里帰りの期間、夕食時に新たに始めたガーデン・レストランのお手伝いをしていた。
こんな環境で育った彼女がちょっぴり羨ましい。


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宿の娘アンニャさん


「またまた」の滞在は宿のママや娘のアンニャさん、スタッフらとも顔が知れた仲にもなり、いつしか宿へ帰った時には、伊勢丹で売っている大判焼きをスタッフからいただいたこともあった。
いつか理想としていたバンコク沈没を思い描くようなアットホームな雰囲気の中、3泊4日の居心地の良い滞在をさせていただいた。

宿を出る最後の夕方、日本のカレー・ルーを買って来てママとアンニャさんにお礼として差し上げた。

僕にとっての「ピーの出る宿」はお化けの出る宿ではなく、カレーが縁をもたらした心温まる宿だ。


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参考
ピーが出る宿(2009年8月)
続・ピーが出る宿(2009年11月)
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