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sometime,somewhere...
Posted by sammy - 2012.07.18,Wed
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カレーライス / B.C.I.Organization, Siem Reap, CAMBODIA


カンボジアへは以前、日本人が運営する孤児院へのボランティアを楽しみに行っていた。
一概にボランティアと言っても多種多様だが、僕のやっていた(やりたかった)のは子どもたちと一緒に食事を作って一緒に食べ、僕自身も楽しむという単純なものであった。
できればそうした行動は同じ場所で続けて行きたかったが孤児院が成長する中、運営する側との気持ちのズレも徐々に顕著になり、関わりに一区切りをつけることにした。
それでも、在籍していた子どもたちとの個人的な交流は今も続いている。
行き始めた当時、孤児院の年長でリーダー格だったヒーアは卒業後、しばらくは孤児院のスタッフとして働いていたが様々な理由から思い悩んだ末に辞め、今は無償で絵画教室を開く日本人先生に付き添う形で通訳や日本語教室の先生として活躍している。
出会った当初は孤児院の子どもだったヒーアも、今ではすっかり大人へと成長をし、僕の村めぐりのパートナーであるバイタク運転手のサンと親しいことから、カンボジア訪問の際には連絡を取って盃を交わしている。

去年の秋、会った際には同じ孤児院を卒業した仲間らの「日本への就労問題」で揺れていた。
なんでも、孤児院の先輩が日本の支援者からの依頼を受け、日本語の話せるカンボジア人の若者30人の渡航斡旋を行っているということらしい。
行き先は静岡県の伊豆にある某リゾート・ホテルで、かきいれどきの12月を前に、それは実に怪しい話でもあった。

* * *

あれから5ヶ月。
カンボジア正月で賑わう最中、ヒーアに「あの話はどうなった?」と訊くと、「あ、あれは無くなりました」と笑って答えた。
渡航メンバーの中には僕が親しかったケインという女の子も含まれていたことから心配だったが、ケインはその一件で卒業した孤児院との立場が微妙になり、今は仕事も辞めて村へ帰っていると言う。
僕もヒーアも孤児院とは距離を置く立場になっていたが、そうでなかったケインも同じような立場になって逆に、「会いやすくなったかもしれない」とヒーアは言う。
その時ヒーアからかけた電話がキッカケで翌日、村めぐりの途中でケインが暮らすバコン村へ立ち寄り、久々の再会をした。
ケインは日本語も堪能で性格も優しく、周囲に好かれる性格の子だったから再就職をするように強く促したが、肝心の本人にその意思はあっても強くない。
理由は簡単で、思うような働き口が中々見つからないからだ。
それでも催促をすると明日、シェムリアップまで行って探すと言う。

明日は僕が深夜の便でシェムリアップを発つ日であったが夕方、小さなボランティアの計画が進行中だった。
空港に程近いバライという村にある小さな孤児院で旧知のカンボジア人が住み込みで働いており、その縁からカンボジア正月の最後にカレーライスをご馳走するという計画だった。
それはかつて、ヒーアやケインが在籍した孤児院で振舞ったように、そうして訪問をしてご馳走をすることで子どもたちやスタッフらに喜んでもらい、その喜びで提供する側の自分たちも喜ぶ。
これを出来ることならば、かつて受ける側の子どもたちだったヒーアやケインらと行いたい思いがあった。
残念なのは2人が在籍した孤児院では出来ない難しい事情があることだったが、ヒーアもケインも快く応じてくれた。

カレーのルーだけは日本から持参したが、それ以外の買い出しは当日、ヒーアがスーパーへ同伴してくれた。
その頃、ケインはいとこのバイクに跨って就職活動中だったが、約束の時間近くになっても集合場所の「ヤマトGH
」へ現れない。どうも、道を間違えたらしい。
実はケインにはプノンペンで事業を始めると言う日本人からこのGHで、面接の話をいただいていた。
遅れてやって来たケインはその場で即、面接が始まり、そのケインといとこのお姉さんを残して僕とヒーア、バイタク運転手のサン、そしてGHで同宿だった韓国人女性2人がお手伝いスタッフとして加わり、孤児院へと向かう。


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Dancing children / B.C.I.Organization, Siem Reap, CAMBODIA


孤児院では20人を越える子どもたちが待っていた。
まずはお互いの自己紹介。ヒーアが通訳の手伝いをしてくれる。
シェムリアップにはこういった孤児院が数多くあり、中にはビジネスとして成り立たせる例があることは知っていた。
ただ、多くの孤児院は社会奉仕として子どもたちを預かっている。
ヒーアやケインが育った孤児院もそうだったし、この小さな孤児院も簡素な設備ながらそうやって育て、こうしてボランティアらの受け入れをし、経営も成り立たせている。
お金が全てであると分かりながら、気持ちだけのボランティアを受け入れてくれたことに感謝をし、その場にかつては孤児院の子どもであった2人が参加をして手伝ってくれたことに意義を感じた。


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ヒーア(左)とケイン(右) / B.C.I.Organization, Siem Reap, CAMBODIA


それにしても遅れてやって来たケインはカレー作りにおいては、他の誰よりも働いた。
「やっぱり、この子は使えるな」と関心しながらGHで受けた面接の結果を訊くと、「プノンペンまで行くのがちょっと怖い」と言い、返事は保留してあるらしい。
僕も、ケインがプノンペンで働くことに関して賛成ではないが、働かずにいるよりは何か一歩進めてもらいたかったから、「まずは働くことで生活を楽しめるようにすることが大事」だとアドバイスをし、最後は自分自身の意思で決めるように言った。

日が暮れる頃に出来上がったカレーライスは、木のテーブルを孤児院の庭に並べてみんなで食べた。
GHから参加した韓国人2人は、「マシタ、マシタ」と韓国語の「美味しい」を連発し、確かにそれは想像以上に美味しく、子どもたちの喜ぶ笑顔やはしゃぐ姿にはやり終えた僕らも満足だった。


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孤児院の子どもたち / B.C.I.Organization, Siem Reap, CAMBODIA


些細なことから始めたボランティアは様々な事情を越えながら、繋がりを作ってくれた。
僕が何よりもうれしかったのは、ヒーアとケインが呼びかけに応じて来てくれてこういう場で再会をし、小さなボランティアを催行できたことだ。
この日の出来事はおそらく、僕がそれまでにカンボジアと関わってきた出来事の中で一番うれしかった出来事だったと思う。

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Comments
カンボジアは本当に愛情のこもった国です。
Posted by cambodia - URL 2012.07.25,Wed 04:17:08 / Edit
>tk-cafeさん

5日間ほど出掛けていたので返事が遅くなって申し訳ありません。

カンボジアでもタイでも日本のカレーライスは人気があります。
現地でルーも買えるのですが日本で買うよりも高く、現地の人には高価なイメージがあるかもしれないですね。

今のカンボジアは平和だと思いますが、社会にはいくつもの弊害が残っており、まだまだ発展途上の初期の段階だと思えます。
旅行者として訪れる分にはそういった途上段階は魅力に映りますが、社会の裏側や目の当たりにする貧しい生活には切ない気持ちになりますね。
Posted by サミー - URL 2012.07.25,Wed 02:43:14 / Edit
心温まる話ですね^^
日本のカレーが海外でも評判がいいのはなぜか嬉しい気持ちになりますw

カンボジアは最近またポルポト時代の事をネットで読んでいたら暗い気持ちになりましたm(__)m
今の子供達は本当にあの時代に生まれていなくてよかったと思います。。
Posted by tk-cafe - URL 2012.07.20,Fri 23:20:43 / Edit
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