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sometime,somewhere...
Posted by - 2024.05.06,Mon
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Posted by sammy - 2011.06.05,Sun
バンコクから1時間半ほどのフライトで今日のお昼、ラオスのルアンパバーンまで来ました。
これが2001年11月以来2度目のルアンパバーンですが、印象としては意外にも「変わっていないなぁ」が実感であり、素朴で古い町並みはそのまま、静かで落ち着きのある町もそのままでした。
正直、10年前に来た時には現地で知り合った旅人同士で、「このメインストリートなんかはカオサンみたいになっていくんだろうなぁ」なんて勝手な予測をしたものの、10年後の自分には変わらぬ印象を与えてくれました。

2日間滞在したバンコクもそうでしたが、東南アジアの大半は今が雨季。
今朝方のバンコクの雷鳴まじりの雨は目覚まし代わりになりましたが、ここルアンパバーンも到着時の灼熱の太陽が一変。
午後2時過ぎには青空から小雨が落ちてきたと思ったら空の色もみるみる変わり、しばらくしたらスコールとなり、たまたま通りかかったツアーオフィスの軒先でしばしの雨宿りをさせていただきました。
一応、傘は持参していたのですが、その傘もつぶされそうなくらいの強い雨はやがて目の前の通りを川と変え、人もバイクもトゥクトゥクも立ち往生。
逆に子供たちは大喜びでシャワーの雨を浴びながら川と化した道端でバシャバシャ!
アジアの子供たちはタフです。

雨は小雨になったものの止まずに今も降り続いています。
退屈を楽しむのもこの旅の宿命か、今も「これから何をしようか?」と思う贅沢な自分がいます。

幸いにして、飛込みで入ったこのゲストハウスのネットは日本語も使えて無料。
そんな雨のルアンパバーンより、想定外の旅の一報を!
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Posted by sammy - 2008.12.24,Wed


今年もいくつもの旅を楽しませていただいた。
そして、旅の中からいくつもの出会いが生まれた。
それらの出会いはいずれも偶然の産物のようなものであり、
それでいて時には旅の大きな部分を占めるような楽しみも与えてくれる。

もちろん、そんな面白い形に繋がるような出会いはいつもあるわけでなく、
予期せぬ形で起こるからこそ出会いは面白くもあり、はかない旅の一瞬でもある。

旅の出会いはまさに一生の中で唯一、その時その場所で共有をする「一期一会」なのかもしれない。

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1月末、僕は例年のごとく遅い冬休みを取ってラオスへ行った。
ラオスへ行こうと思ったのは僕の中で求めていた
「癒し」、「暑い」、「素朴」などのキーワードが合致していたことがあったが、
実際に行ったラオスは乾季真っ只中にもかかわらず太陽は連日姿を見せず、
肌寒ささえ感じるような気候だった。
要するに完全な「アテ外れ」であり、気分は当然のように乗り切らなかった。

僕にとってのラオス、ビエンチャンは2度目であり、観光要素を求める気持ちはサラサラなく、
アテがあるとすればギラギラに照らす太陽の陽に照らされた街並みや人々の活気だったが、
太陽が隠れてしまった1日は本当にアテもなく街中をさまよい歩いていた。

韓国人バックパッカーのインフォンと出会ったのは
鉛色の空が広がったビエンチャンのストリート・カフェだった。
いわゆる売店前の歩道上に設置された飲食スペースだが、
そこはビエンチャンで言うところの中心部であり、
それでいてのどかな風情の場所でもあり、
歩き疲れてゆっくりしたかった僕を「どうぞ」と相席に手招きしてくれたのがインフォンだった。

「たぶん…」韓国人だと思ったが、
警戒心のないフレンドリーなお誘いに乗じてその時は英語を使って他愛もない会話を楽しんだ。
お互いにアテが外れた天気に気分が乗らなく、マッタリとした時間を好んだからだと思う。
そして夕暮れ前、お互いに「今日は夕陽が楽しみなんだけど」と言ってその場を別れた。
午後に僅かだけ日差しが差し込んだ時間もあったので夕陽には淡い期待もあったが、
夕陽の姿を見るどころか、その日は夕暮れ前にはついに雨も降り出し、その雨は翌日も続いた。

そんな天気の中、再びインフォンと会ったのはバンビエンのつり橋のたもとだった。

旅先の出会いと言えば大概、会ったその場限りだがラオスの特例とでも言うべきか、
旅のコースがビエンチャンもしくは北のルアンパバーンを基点に一直線上にしかないラオスでは、
旅人が辿る場所、集う場所が集団移動のようにどちらかに進む。
だからこうして再び、都合を合わせたわけでもないのに会ってしまうのである。

それはその翌日も続き、連日の曇天に行き場を迷った僕が一念奮起して自転車を借り、
バンビエンから約13km先にあるモン族の村を訪れようとスタートを切った直後、
道のど真ん中で同じように自転車にまたがり、
行き場に迷っていたインフォンが僕の即席プランに乗っかる形で同行をすることになった。
これがこの旅唯一のツアー行為にあたる日韓男女によるモン・ビレッジ訪問だった。

モン・ビレッジはバンビエンの貸し自転車屋さんでいただいた簡易地図に場所は載っていたが
観光地であるわけでもなく、観光資源を求めている村でもない。
いわゆる本当の山岳民族の村だった。
だから結果的に2人で行ったのは正解で、
お願いをするわけでもなく村人たちは突然の訪問に家の中へ招き入れてくれるなど
丁寧な迎え入れをしてくれた。

そしてそこには昔ながらの暮らしがあり、
僕もインフォンも興味深くそれらを見入った。

即席だったからインフォンはカメラも用意していなかったが、
その代わりに僕が写した写真を後日、送ることにした。

IMG_0667.JPG
幼いモン族の赤ん坊を抱くインフォン

* * *

その晩、その日がちょうど僕の誕生日だったこともあり、
インフォンとは食事の約束をしていた。

一際強い雨が降る中、
インフォンは同じように旅の道中で知り合った韓国人の男性を連れて待っていた。
その男性はキムと言ってソウルで医療器具の営業マンをしているらしい。
僕と同じで野球が好きらしくソウルを本拠地とする韓国のプロ野球チーム、
LGツインズのキャップを被っていた。
僕の大ファンは日本では中日でその中日にはLGに在籍していたイ・ビョンギュがいる。
そしてキムは中日ファンを装った。

少々お調子者のキムを試そうと僕が
「イ・ビョンギュの中日での背番号は何番か?」訊ねるとキムは迷うことなく自信満々で「9」と答えた。
彼はまんまとハマった。
「9」はLGと韓国代表での背番号であり、中日では「7」を付けている。

かつて中日にはソン・ドンヨルやリー・ジョンボムなどの韓国野球のスーパースターが在籍し、
韓国では一番人気の日本プロ野球チームだったが
今はなんと言っても韓国の国民的スター選手のイ・スンヨプが巨人にいる。
韓国でのテレビ中継もまるでかつての日本のように連日、巨人戦ばかりが放送され、
今では国民の8割が巨人ファンだとも聞く。
要するに韓国の野球ファンは中日から巨人へ寝返りをしたわけで、
キムのような調子のいい韓国人からその真偽を試してみたかった。

「お前、本当は巨人ファンだろう?」。
好きな選手の背番号を間違えたばかりのキムは動揺して「違う、違う」と言っていたが、
本心を見透かしたインフォンは横でクスクス笑っていた。

窓のないオープン形式のレストランの外は土砂降りの雨だったが、
こうして異国の地で偶然に出会った韓国人と過ごす食事の時間は楽しかった。

日本人、とりわけ僕の世代くらいはまだ、韓国人に対する軽蔑や偏見が幼い頃に残っていた。
事実、近くには韓国人らの住む地区もあり、
民族の違いと言うだけの対立の構図は少なからずあり、それは同級生同士の中にもあった。
だから僕の中では自然と韓国を好きになれない気持ちが根付き、
幼い頃にはそれが永遠のものだと思っていたかもしれない。
だから今、こうしてふれあえることがうれしい。
旅を重ねるうちに僕の中にあった軽蔑も偏見も遠い過去のものへと拭い去ることが出来た。

* * *

途中からは韓国人が食事をしている姿を見つけた同じ韓国人4人組も雨宿りがてらに合流してきた。

以前知人から聞いた話では、韓国人は「コリアン・シェア」と呼ばれるほど団結心が強く、
「喉が渇いた」と言えば見知らぬ人間同士でも水を分け合って飲むらしい。

そんな彼ら彼女らだからお互いがひとり旅でもこうして打ち解けてしまうのだろう。
聞けば後から入ってきた4人組も元はバラバラの旅だったのがいつのまにか
親しく行動するようになってしまったらしい。
そう言えば4人組の中の2人は僕がビエンチャンをさまよい歩いていた時に何度となくすれ違っていた。

外の雨が小降りになった頃、皆々が宴を解散した。

* * *

翌日、足早の旅の僕はビエンチャンへ戻らなければならなかった。
バスの出発時間は午後だったのでホテルの部屋でノンビリしていると突然、
ルーム電話が鳴り響いた。
それはフロントからインフォンが僕への呼び出しにかけたもので、
驚いて出て行くと、「昨日のお礼」だと言って白い紙袋を手渡した。
「見て、見て」と言うから開けてみると
中味は僕が好物にしていたルアンパバーン・ベーカリーのドーナツだった。
一緒に渡された絵葉書には感謝の気持ちが英語で綴られていた。

思えば雨と曇天続きでアテが外れ通したラオスも、
それが逆に「一期一会」の時間を与えてくれたのかもしれない。
あの時の雨は案外、自分の中にあった過去を流した雨だったのかも。

そう思える旅の出会いに感謝!
Posted by sammy - 2008.02.24,Sun
バンビエンでは雨上がりを見計らい自転車を借りて、
周辺にある村を訪れることにした。

貸し自転車屋で「村へ行きたい」と言って薦められたのが、
バンビエン中心部からルアンパバーン方面へ13kmほど行った所にあるモン・ヴィレッジ。
有無を言わせずに薦められたこともあるが、
このような村案内はガイドブックなどの類いに一切説明があるわけでもないので、
どこへ行こうか比べる対象があるわけでもなく、
言われるがままに、いただいた簡単な地図を目印にモン・ヴィレッジを目指すことにした。

ひとりで行くつもりだったのが
走り出して僅か数十mでビエンチャンのストリート・カフェで相席していたコリアンのインフォンと遭遇し、
お互いに「どこへ行くの?」という話になって行くアテを探していたインフォンが僕のプランに乗っかり、
日韓男女のモン・ヴィレッジ訪問サイクリング・ツアーとなった。

時折小雨もぱらついたが、片道およそ1時間の道のりは高低差もさほどなく緩やかで、
村の入口となる通り沿いにはそこを曲がると分かるように小さく、
「HMONG VILAGE」と書かれた看板が立っていた。
そこから村まではかなりハードなガタゴト道をまさに、全身バイブレーション状態で走り、
やがて見える小さな川沿いの橋を渡ると村はあった。

到着後すぐに通り雨にたたられ、
子供たちがトランプ・ゲームをして遊ぶ小さな小屋の軒下で雨宿りとなったが、
雨が上がった後はインフォンとふたりで小さく素朴な村の中を散策することにした。

IMG_0661ls.JPG
雨宿りの軒下で一緒だった幼い少女

雨上がりの村はぬかるんだ赤土で路面はグチャグチャだったが、
突然の日韓男女の訪問に村人たちは迷惑がるどころか好意的で、
竹造りの家の中に案内してくれたり、
子供たちはあちらこちらから集まって来て大賑わいで喜んでくれたり。

驚いたことに家の中にはテレビやDVDまであった。
たぶん、その家は先祖代々の写真を飾ってあったことなどから、
村の中でも由緒正しき家だったと思うが、
子供たちが誇らしげにテレビのスイッチをつけてはしゃぐ姿が印象的だった。

IMG_0666ls.JPG

家の前では幼い子供を抱く、若い母親の姿もあった。
一緒にいたインフォンもまだ24歳と若かったが、
この母親はおそらくもっと若いと思う(たぶん未成年?)。
そんな姿を見てインフォンも子供を抱かせてもらって喜んだり。

IMG_0669ls.JPG

村では織物をする女性たちの姿もあちらこちらにあった。
その誰もがカメラを向けると微笑をかえしてくれる。
中にはアイドルのようなキラキラとした笑顔の女の子もいた。

IMG_0684ls.JPG
モン・ヴィレッジのアイドル?

その子に限ったわけでもないが、
僕もインフォンも、「この村はもしかして美人の村?」じゃないかという共通の印象を持った。
子供も大人も顔立ちの整った美人が確かに多かった。

このたったふたりだけのモン・ヴィレッジ訪問は決して観光用ではない、
ごく自然な姿を僕らに見せてくれたことで非常に意義のある訪問になった気がする。

この翌日、インフォンは次のように綴ったメッセージを僕にくれた。

Our short trip was excellent !!
That's real exotic experience !

【Feb,2008 / ラオス・バンビエン】