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sometime,somewhere...
Posted by sammy - 2008.11.28,Fri

1月、夕暮れ時のスワンナプーム国際空港

バンコクが大変なことになっているようだ。
原因そのものが他国の政治に絡んだ話なので論じようも、論じる頭もないが(笑)、
反政府のデモ隊が国の玄関口である国際空港を閉鎖してしまったのだから、事はかなりのことである。

僕は2週間前にもこの空港を利用してタイという国を楽しませてもらったし、
今年に限って言えば4度もの旅で経由地として利用させてもらった。
とにかく、何かと便利なのである。このスワンナプーム国際空港。

1年で4度も空港を利用したとなると、「随分とバンコクへ行っていますね」ということにもなるのだが、
実際のところ滞在したのは毎回が行き帰りの1日か半日のみで滞在も1泊ずつ。
それも、行きの到着が深夜、帰りの出発が早朝ばかりだから、時間にすれば微々たるものである。

それでも便利と思えるのは勝手知ったることはもちろん、
タクシーでの移動が安くて楽でおまけに宿代だって安ければ、
疲れた体にこれ以上ないタイ・マッサージだって深夜まで受けられる。それも安価で。
財布の紐が緩むのと同じように心も体も緩くなってくるのである。バンコクでは。

加えて人々は御気楽気質である。呑気で明るい。
そもそも今回の空港座り込みだって伝えられる映像からは笑顔が漏れている。
非常事態宣言が下されたことから場合によっては今後、流血の事態も起こりえないが、
これが日本に近い隣国のいくつかだったら、
このような段階を踏む以前にヒステリックな行動に出ているだろう。
だからタイだなあと思う。

IMG_1382.JPG
4月、ソンクラーンの水鉄砲 カオサンにて

しかし、事は深刻である。

9月にも同様のデモで首相府占拠が起きた際に
非常事態宣言が発令された影響でタイの観光客は減ったと聞いた。

一般のテレビ・ニュースだけを見れば報道は最大の状態に編集されて伝えられるから、
デモ隊の衝突映像とかが流れれば「危なく」思うが、実際にはその場だけで起きていることであり、
多くのタイ人は御気楽体質のままだし、呑気に過ごしている。
観光やショッピングを楽しむ分には全く支障はなかったはずだが、
今回は空港占拠となれば行きようがなくなってしまったわけだから、
今後にも大きな影響を及ぼしてしまうだろう。

IMG_2673ch.JPG
11月、サヤームスクエアの交差点

2週間前、僕はここしばらくの間にバンコクで親しくなった人たちと会った。
1人はスクンビット通りソイ33 1/2でラーメン屋を営む日本人のおっちゃん。
初対面はラオスから帰った今年2月で、常宿が近くにあったことから周辺を徘徊中に店先で
「いらっしゃい!」と深々とお辞儀の勧誘を受けたのが始まりだった。

このおっちゃん、実によく喋る。
僕も喋る方だが、僕の話が10とすれば、おっちゃんの話は50以上だろう。止まらないのである(笑)。
そんなこんなもあってその後も短いバンコク滞在では食事がてらに覘かせてもらっている。

おっちゃんの店は坦坦麺がイチオシで、これが実にマイルドで美味い。
ところが隣にはその名も「坦坦麺」と店名が付く同じような店がある。
ちなみに、おっちゃんの店は「眠眠」である。
元々はこの「眠眠」が隣にあって、そこで好評だったのが坦坦麺だったというのだ。
そしたらある日突然、コックと建物のオーナーが手を組む形で家賃を釣上げ、
元々の店舗は「坦坦麺」と名を変えて営業を始め、
おっちゃんの店は隣に移っての営業再開となったらしい。

日本のように居住権が確立していないタイでは、
こうやって儲かるものに対しての立ち退きは日常茶飯事らしい。
そして、バンコクの家賃は非常に高いと聞く。

僕のここ最近の常宿「ビーフレンドGH」は昨夏、
BTS(モノレール)のプノンポン駅に近いスクンビット通りソイ39に沿った閑静な場所にオープンしたが、
今年の8月には早くも移転をしてしまった。
新たな移転場所は同じプノンポン駅に近いソイ24 1/2という
日本人向けの歓楽的お店が建ち並ぶ小路沿いだが場所が賑やかになった反面、
設備や清潔度は格段に落ちてしまった。
移転前の以前が清潔でキレイでおまけに日本人宿の安心感、親しみやすさが人気だったから、
そこに目をつけて家賃を釣上げられたのだろう。

今の「ビーフレンドGH」はカオサンで言えば中級未満の格付けだと思う。
それでいてシングル1泊470b(約1350円)でホットシャワーのない部屋があったり、
どの部屋にもどのフロアにも洗面台もない状態では今後の客足が心配だ。

この移転した「ビーフレンドGH」の筋向いには「ラックちゃん」という居酒屋がある。
9月に宿泊した際、深夜0時過ぎにお腹が空き、
たまたま開いていたのがこの「ラックちゃん」だけで入ったのが始まりで、
ここのママでタイ人のラックちゃんや、
たまたま居合わせていた隣でマッサージ店を営むタイ人奥さんとも親しくなった。

この「ラックちゃん」にしても、おっちゃんのラーメン屋にしてもそうだが、
とにかく今は不景気だという。
観光客の激減、企業の事業縮小による出張の減少と
それに伴なう現地駐在員の仕事負担増加による残業増等など。
ラックちゃんの片言日本語での口癖は「フケイキ、オキャクサンスクナイ、ヤッテイナイカモ」である(笑)。

今回の一連のデモ行動はそういった不景気により一層の拍車をかけた気がする。

マッサージ店の奥さんはトヨタの駐在員だった日本人の旦那さんと日本で13年間暮らしていたこともあり、
日本語はペラペラだった。
不幸にも旦那さんをガンで亡くした後はバンコクへ戻ってこうしてお店を始めているが、
僕が9月に続いて再び先日お店を訪れると「約束を守った」と喜んで、
最終日に再びバンコクへ戻った最後の夜に
タイスキのお鍋を従業員らと共にお店の片隅でご馳走してくれた。

そう言えば、隣の「ラックちゃん」もサービス価格だった。
おっちゃんも自らが住んでいるバンコクの下町を案内したいと言って、
お店の昼休憩にプラカノンの市場を案内してくれた。

IMG_2676ch.JPG
11月、プラカノン市場近くの食堂

みんな温かいのである。バンコクは。

そして、いい加減で無気力で明るい笑顔もバンコクである。
そんな脱力感いっぱいのバンコクで今、反政府団体がテコでも動かない抗議の居座りを続けている。
でもきっと、街の様子は変わらないと思う。人々も含めて。
だからこそ、事態がいい方向に進むことを願わずにはいられない。

多大な経済損失も今後の後遺症もきっと、「マイペンライ(気にしない)」の精神で乗り切っていくだろう。
そんなふうに思ってしまうのもタイだから、バンコクだから。
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Comments
>wakyさん

事態は収拾に向かうどころか、タクシン派対反タクシン派(こちらが今回の反政府運動派)の真っ向対決の様相さえ呈してきてしまいましたね。
但し、国王に対しては絶対的なお国柄なので国王の誕生日にあたる12月5日までに何らかの動きが出ると言うのが大方の予想みたいです。

まあ、流血の事態とか対立の混迷を深めるようなことになれば更に大きなダメージを(タイ全体が)被る形になると思うのでここはタイらしく(?)、案外と素っ気無い終結の形に向かってくれることを望んでいるのですが…。
これって実に楽観的かつ、他人事の意見ですよね?この機に及んで。

でも実はそんな自分も、2ヶ月先のバンコク往復をマイレージで早い段階で抑えてあるんですよね~。
どうなっちゃってるんでしょうね?その頃は?

>列車の旅・・・いいですよね。

平和でしたよ。良かったです(笑)。

あーいった旅行記は書ける時は不思議と書けるのですが、それもこれも心境が左右するような気がするんですよ。
全てがフィクションですから、作ろうと思って作れるものでないことは確かです。
きっと、思いっきり旅を感じた時間だったと思います。
Posted by サミー - URL 2008.12.01,Mon 00:51:31 / Edit
タイの空港占拠は、私もニュースで見ながら「随分と危機感のなさげな顔つきだな~」と思っていました。どこかイベントっぽいですね。

それでも空港の機能をストップさせた事は大きいし、あれだけの人が集まり非常事態宣言も出されたとなると、どんなきっかけで惨事が起こるかわからないので、「非常事態」であるわけですが・・・・。

1旅行者として考えた時には、タイの国策がどうこうより、「あ~行きにくくなっちゃう」と思うのがホンネです。「好きな場所」と言いながらも、捉え方が他人事になってしまうのが我ながらダメですね。

ところで、先の記事にありました「バンコクからチェンマイ」は、なんだかすごくサミーさんらしい旅行記で、よかったです。列車の旅・・・いいですよね。
Posted by waky - URL 2008.11.30,Sun 22:40:48 / Edit
>さきぞうさん

日本からネパールへ行く場合、欠航率の低さや時間の正確さなどからタイ航空が一番人気で使われていると言う話は旅の最中に何度も聞きました。
ですからある意味、さきぞうさんのところのようにネパールで観光関連の仕事をされている方にとっても、ここしばらくのキャンセルやらで影響は出てしまいますよね。だって、バンコク~カトマンズ線はボーイング777運行で連日満員だったわけですからね。

今のところ流血の事態にはなっていないことが救いですが、それにしてもあの超巨大空港の機能を止めてしまったわけですから、抗議というよりは大きな犯罪ですよ!


>ぴおさん

29日土曜日の「毎日新聞」の社説では民主主義という言葉で分かりやすく解説しています。
要は、タイの政治は代々、利権が絡んでいて、それがタクシン亡命などの一連のクーデター騒動にもなったわけですが結局、選挙で選ばれたのはタクシン派の人間。
しかし、民主主義に置き換えて考えれば選挙で選ばれた政権への抗議でこのような行動に出ることは大義名分もないわけで今一度、そういった観点から考えて欲しいと言う解説でした。
「う~ん、なるほど」です(笑)。

とりあえず政治的な問題?と言うか、もうちょっと程度の低い問題のようにも感じられるのですが(例えばタイ社会で賄賂は公然としているようですし)、旅行者的立場からすると僕もぴおさんと全く同じ事を考えていました。
特に痛いのはインド、ネパール、カンボジア、そしてラオスあたりか。

復旧後の後遺症として旅行者のタイ経由敬遠の動きもしばらくはあるだろうし、もしかしたら以前のようなバンコク行き超格安航空券の復活も?なんて、不謹慎な期待ですか(笑)?
Posted by サミー - URL 2008.11.30,Sun 01:27:17 / Edit
こんばんは。
タイがこのことから対外的に印象悪くなったり観光客が減ったりして受けるダメージは、冷たい言い方になりますが結局タイの問題だと思うのですが、周辺の国はいい迷惑だろうな、と思ってしまいますね。
私も昨年末のネパールは、直行のロイヤル・ネパールではなくタイ経由で行きましたし、日本からタイ経由で行くのが便利な国ってけこうありますよね。ミャンマーもそうだし(幸か不幸か、今行く人少ないでしょうが)遠いところではマダガスカルとか。
アンコールやラオスへはベトナム経由でも行けるけれど、今週末行く予定でチケット買ってしまっている人はどうするのか...。
タイの人が何にどう抗議しているのか、いまひとつピンとこないので、どうしても自分にわかりやすい旅行者の視点で考えてしまいますが、占拠中にコンサートとかやってるのを見ると、なんだかなぁ、って気もしますね。
Posted by ぴお - URL 2008.11.30,Sun 00:57:00 / Edit
本当にショックです。
バンコクの存在の大きさを感じてます。
ネパールもそれなりに打撃はあると思います。バンコクの人とともに山あり谷ありやってくしかないけど。
Posted by さきぞう - 2008.11.29,Sat 19:42:14 / Edit
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