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sometime,somewhere...
Posted by - 2024.04.20,Sat
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Posted by sammy - 2014.02.06,Thu

symbol mark / Bangkok, THAILAND


「いったい、この国の行方はどうなってしまうんだろう」
そんな言葉がメディアを通じて囁かれている今、渦中の場所と化したタイの首都バンコクに3日間ほど滞在した。
最初に降り立った先月29日朝、まだ午前7時だと言うのにBTS(スカイ・トレイン)アソック駅に着くや否や演説らしき大音響が耳に入った。
到着するまで悶々としていた嫌な予感そのものの出迎えを覚えたが、ホテルで一寝入りした後に歩いた真昼の街は、いつものバンコクと何ら変わりのない活気と大らかさが入り混じった混沌とした中に、ゆるやかな空気が流れているようだった。
それはデモ隊が占拠を続ける封鎖されたメインストリート上でも同じで、僕は思わず「こいつらバカだ!」と笑ってしまうほど、そこにあるべき緊迫感などはない。
しかし、それらはあくまで見た目の印象であってこの先、何が起こるか分からない不安、対立の繰り返し、民主的に行われようとしても出来ない政治、道路封鎖等など、今も含めこの数年だけでもこの国でのゴタゴタは列挙に暇ないほど続けざまに起きている。



shutdown / Bangkok, THAILAND


2月2日。
今回の反政府運動の焦点とも言える総選挙投票日、僕はカンボジアから空路バンコクへと戻った。
「よりによって何でこんな日に…」と数え切れないほど思ったが、旧正月とたまたま重なってしまっていた僕の代替冬期休暇は早めの予約を済ませた昨秋の時点でスケジュールが決まってしまっていた。
一部報道では、この2日が最大のヤマ場であり、さらなる道路封鎖や暴動の予測もされたが、今回も降り立ったバンコクは至って平和で、僕はいっそのこと荒れている現場を見てみたい物見遊山な気分でいたが、幸運なことに肩透かしを喰らってしまった。

夜、中心部へと繰り出してみたが、スカイ・トレインにはフツーにデモ隊が行っている集会帰りの人たちが皆、国旗を象ったフェイス・ペイントやシンボル・マークと化した笛をぶら下げては乗り込んでくる。
スカイ・トレイン階下にある主要道はそのデモ隊のおかげで封鎖され、迷惑を喰らっている市民たちはこうして混みあっているスカイ・トレインに乗車していると言うのに、そこに対立の構図などはない。
タイ人はやはりタイ人であって、マイペンライ(気にしない)なんだと安堵の気持ちを覚える。



dishwasher on the road / Bangkok, THAILAND


スカイ・トレインを降りた高架下では屋台の横で女がひたすらと皿を洗っていた。

「こんな日の夜遅くでも、バンコクの路上では汗を流し活きている」

僕の中でその姿を受け止める強い何かがあり、思わず足を止め、持っていたコンデジでそのシーンを写真に収めさせていただいた。



drunker / Bangkok, THAILAND


後半2日間滞在していたカオサン通りでは、いつものお祭り騒ぎが深夜まで続いていた。
地元タイ人たちと世界各国からやって来たバックパッカーたちとで賑わう夜に、政治がどうたらこうたらと睨み合う対立などあるわけがなく、ただ今この時がハッピーで、この国のこの街の酔狂な夜を楽しんでいる。
そんな賑やかな迷惑(?)にも安堵の気持ちを覚えた。



a man in front of the wall / Bangkok, THAILAND


結局のところ、この国の人たちの大半、そしてこの国へやって来る人たちは「今」を楽しんでいる。
もしかしたらそんなツケが、この先を考える今回の一連の騒動なのかもしれないが大丈夫、この国の人たちは明るく楽しく笑いながら生きている。

あらためて、「微笑みの国なんだなぁ」と思ったのが今回のバンコクだった。

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