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sometime,somewhere...
Posted by - 2024.04.20,Sat
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Posted by sammy - 2012.12.01,Sat

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Children at the orphanage / Than-lyin, MYANMAR


ヤンゴンから川を渡った隣町タンニンにあるス・タウン・ピ孤児院へは前回2月の旅で初めて訪れた。
その時は「さくら図書館」のサンダーとザーニーに「村へ連れて行ってもらいたい」というリクエストにそってヤンゴンからローカルのバスに乗り、途中でバスを乗り換えてどこかしらの村へ連れて行ってもらうつもりが、その乗り換えのバス停前にあったこの孤児院へとお邪魔することになってしまった。
「ちょっと寄ってみようか?」が、子どもたちの無邪気な笑顔に吸い込まれるかのように案内の約束をしていた午前中の時間をすべて費やすこととなり、「またいつか、そう遠くないいつか」に再訪したい気持ちも芽生え、何の前触れも準備も無く行った前回と違い、何かをしてあげられる次回に思いをはせた。

そして今回、「してあげられること」を熟慮した結果、子どもたちが寄り添うように密集して暮らす寄宿舎で過ごす時間を減らし、外へ出て遊べる何かが出来るよう、ゴムボール10個を寄贈する形で訪問をした。
当初は野球でも教えようかなとプラスチックのバットとボールも考えたが、この夏の写真展で知り合った旅人が地元の遊具メーカーに勤務していたことから、廃棄処分する不良ボールの寄付を申し出てくれた。
不良ボールと言ってもほんの少し印刷がずれていたりするだけだから物自体は新品同様であり、十分に使って遊べる。それらの空気を抜き、たたみ、お菓子や前回撮った写真をアルバムに収めたものと共に持参した。


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寄贈したボールと子どもたち / Than-lyin, MYANMAR


今回は計画的だったが、事前に問い合わせたメールに返事が来たり来なかったりだったから、孤児院へ行く手だてを知るサンダーとザーニーの都合はその前日まで分からずじまいだった。
最悪、僕が行けない場合でもボールとお菓子は後日、ふたりに持って行ってもらいたかったが、昼11時半からならばサンダーのみが同伴をして行けるという。僕には午後4時半以降にはバガンへのバス移動があったから、ヤンゴンへは午後3時半くらいまでには戻りたい。
そうなると往復に2時間は費やすローカル・バス移動を考えると孤児院には2時間に満たない訪問しか出来なかったが、それを承知の上で僕とサンダー、前夜パゴダで知り合った日本人のゆきさん、昨夜から旅行へ出掛けて不在のザーニーに代わってその妹の4人で行くこととなった。

サンダーの説明では孤児院へは見学の際に寄付として日本円にして1000円のお金を納めて欲しいという。
よって、まずは到着後にその納入式みたいなものが本堂である。
孤児院と言ってもそこはミャンマー。お寺が子どもたちを育てられない親に代わって育てているので、このお金の納入もお坊さんが立ち会ってする。
その後ろで女の子たち3人が大きな団扇を扇風機代わりに扇いで僕らを涼ましている。
僕が振り向いて笑うと、女の子たちも照れた笑いを見せてはバタバタと団扇を扇ぐ。
その姿がことのほか微笑ましかった。



friendly smile / Than-lyin, MYANMAR


その後はお菓子を配りながら子どもたちの寄宿舎を見学したり、暑い日差しを避けるように日陰で勉強したり集まって遊んでいる子どもたちの元を回る。
どの子どもたちも目が合えば口元に手を合わせてニコッと微笑む。それがこの国の習慣でもあり、その教えの根強さはこの国のホスピタリティー精神の象徴でもある。
当たり前だが、そう挨拶を受けて悪い気はしないのであるし、こうして異国から突然やって来てもすぐさまフレンドリーな気持ちにさせられてしまうのである。

子どもたちの中には僕が顔を憶えている子どもも何人かいた。その子たちの元気な姿を見るとうれしかった。
僕らは自分たちの観点から「環境が厳しい」とか勝手に決め付けてあらゆる想像をしてしまうが、子どもたちにしてみればこの環境が楽しいのである。
そんな笑顔が院内のどこにもあふれている。その笑顔に僕らはここへ来た意義を強く感じる。


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in their domitory / Than-lyin, MYANMAR


500人を超える子どもたちがいるというこの孤児院で、どこでボールを贈呈して遊ぼうかと考えたが、一番大きな主に年少の女の子たちが暮らしている寄宿舎の前にある小さな広場でそれをすることにした。
男の子たちは併設する僧院で学ぶ子どもたちが多かったし、圧倒的に暇をもてあそぶ様にしていたのは女の子たちだったし、暗い寄宿舎の狭いベッドの上でやることもなく過ごしている子どもたちも多かった。
極力、そういう子どもたちも外へ呼び、日本から持ってきた10個のボールを袋から出し、それらにみんなで空気を入れて丸くなったものからみんなで投げ合う。
これだけ子どもたちがいると面白いもので、勝手に世話役になって空気入れを指導する子が現れたり、いつの間にやら「当てっこ」を楽しんでいる子どもたちのグループも出来たりしている。
その傍らでは同伴したゆきさんが折り紙教室を始め、熱心に鶴の折り方を教わっている子どもたちもいる。
教わる輪の中でみんなに団扇を扇いでいる子もいる。それもまた、微笑ましかった。


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空気入れを買って出る女の子 / Than-lyin, MYANMAR


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折り紙レッスン / Than-lyin, MYANMAR


子どもたちには飽きがこないようにサンダーを通してゲーム方式で遊べるドッジ・ボールのやり方も教えたが、これはサンダーも子どもたちもルールを理解するには至らなかった。
ただ、それらしい「当てっこ」ゲームには熱中したし、右に左にと子どもたちは飛び回っていた。

わずかな間の時間ではあったが、子どもたちは外に出てきて楽しんでくれたし、僕らも多くの笑顔があふれる中で満足な気持ちになった。

子どもたちは元気に遊ぶのが一番いい。
置いてきた10個のボールはその後、元気になれる証しとして使われているだろうか?
少しでもお役に立てていれば僕の望んでいた年内再訪は成功だったと思う。


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Bye-Bye / Than-lyin, MYANMAR
 

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