sometime,somewhere...
Posted by sammy - 2010.12.10,Fri
コロニアルな町を歩く / Xela, GUATEMALA
そもそも、なぜにグアテマラだったのか?
その理由が多々ある中で大きく動機づけられたことの1つが「今なお残る先住民文化」と、それを代表するウイピルと呼ばれる刺繍の入った伝統的な衣装を身に纏った人々の姿がごく自然と、町に村にどこにでもあることに誘われたような気がしてならない。
細かなことを言えば、アメリカ本土から3時間に満たないフライトで到着できることや、国土が小さいから見どころのある町と町との移動が2~3時間程度で済むことや、それらの町に日本人が経営する旅人宿の存在があったこともある。
「そこへ泊まれば詳しい情報が手に入る」。
だから、出発前には「地球の歩き方」や「旅行人グアテマラ特集」などで大方の旅のイメージはしてあったものの、具体的に現地滞在の1週間をどのような行程にして周るかなどはその都度、考えるようにした。
廃墟の町をゆく / Antigua, GUATEMALA
旅の基点はアンティグアで、ここはコロニアルな町並みが美しい観光都市でもある。
空港まで1時間もかからない距離にあることから、旅の最後もここで終えたい気持ちは町歩きをしたときに強く感じた。
ここでは「ペンション田代」と呼ばれる中南米を代表するかのような日本人宿で最初の2晩を過ごした。
オーナーの田代さんは元々がバックパッカーでありながら、宿泊している旅人たちの中に入り浸りになるような人ではなかったが、こちらから旅の相談を持ちかけると親切丁寧に応えてくれた。
僕をここまで誘ってくれたのは「先住民文化とウイピルの美しい衣装」だったから、それらを求めて村めぐりをしたい旨を話すと、お薦めは「素朴さがまだまだ残るシェラとその周辺の村々ではないか」と言う。
理由は単純明快で、写真を撮ろうとカメラを向けた時、このあたり(アンティグア)よりは観光客慣れした態度をとらないだろうということだった。
美しい刺繍の入ったウイピルを纏った少女 / Xela, GUATEMALA
グアテマラにはシャトル・バンで宿泊先から目的地の宿泊先まで移動できるサービスがあったから、さっそくこれを予約して2日目の午後にシェラへと向かう。
標高2300mを越える町シェラはグアテマラ第2の都市で、周辺にはいくつもの先住民の村がある。
ここには「タカ・ハウス」と呼ばれる、まさにバックパッカー向けの日本人宿があり、初日はそこに泊まり、オーナーのタカさんからいくつもの情報をいただいた。
このタカさん。LAで僕がお世話になったことがある「はまだ宿」の浜田さんとも旧知の間柄らしく、昔からの旅人がそのままこの地に居住して、今は若い旅人たちのお世話的な名目(?)で安宿を営んでいる。
かなりの情報通としても知られることから、実際にここで教えていただいた情報は恐ろしいほどに的確であったが、老朽化し過ぎた設備や若い世界一周旅行者のみの客層に居心地の悪さも感じて翌日以降の宿は他へと移動したが、僕はシェラの町も周辺の村々も想像以上に気に入り、この町には3日間ほど滞在をした。
正直、シェラを去る時には「名残り」みたいなものさえ感じたほどだったが、短い旅は終わりも近い。
色とりどりのウイピルが美しい青空市 / Almolonga, GUATEMALA
シェラを去った後の週末の土日は、パナハッチェルという観光で栄える湖岸の町に泊まり、ここから往復シャトル・バンで行くチチカステナンゴの日曜市や、湖の対岸にあるサンティアゴ・アティトランなどへ出掛けた。
このパナハッチェルにも「エル・ソル」という日本人宿があり、まるで日本にあるペンションと遜色のない、いや、それ以上のキレイさと美味しい日本食に感激し、最高と思えるような居心地で過ごさせていただいた。
そして帰国前日となる月曜の夜、旅の基点となるアンティグア、ペンション田代へと戻り、翌火曜日にグアテマラの旅を終える。
小さな村の夕暮れ前、家の外からテレビを見つめる少年 / Los Encuentros, GUATEMALA
グアテマラはインフラ整備がまだまだだと聞いてはいたが、主要都市間を走る道は十分に整備されており、雨季の間の災害で決壊しているような場所もあるにはあったが、シャトル・バンであれ地元民の足でもあるチキン・バスでの移動であれ、ことのほかスムーズに移動ができ、旅のしやすい国でもあった。
人々が身に纏うウイピルもそうだが、「昔ながら」の風情もそこかしこに感じ、毎日のように夕暮れ時にでもなると「郷愁」にも似たものを強く感じたのも、この国の旅の特徴だったのかもしれない。
だから今は、この旅の部分部分全てが懐かしくも感じる。
いい旅だった。
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