sometime,somewhere...
Posted by sammy - 2010.10.17,Sun
百年市場 / Ban Mai Market, Chachoengsao, THAILAND
百年前から変わらぬ姿を留めているというその市場は、タイの首都バンコクから列車に揺られておよそ1時間半、東へ80kmほど行ったチャチュンサオという町の駅からトゥクトゥクで10分ほど走った川沿いにあった。
市場の名前はバーンマイ市場。
1904年にあった大火災ですべて建て直されて以降、今に至っていると言う。
バンコクからチャチュンサオまでの列車は片道たったの13バーツだったが、チャチュンサオの駅から市場までののトゥクトゥクは交渉した末にやっと片道50バーツまで値切った。
何とも附に落ちない値段だが、それも致し方ない。
ここはある意味、市場としての存在以上に重要文化財とも言うべき「往時をしのばせる」隠れスポットとして今やタイ人の間で人気の市場らしい。
しかし、観光地さながらに人々が賑わうのは土日だけのようで、その時ばかりは約300あるという店舗が全てオープンし、縁日さながらの雰囲気になると言う。
僕が訪れたのは月曜日。
ほとんどの店舗がクローズされ、開いていたのはごく一部のお店と食堂だけ。
「本当にここが?」と思わせるような入口から市場の中へ入ると、薄暗い市場内は人影もほとんどなく、ひっそりとした静かな佇まいは本当に自分が百年前にタイム・スリップしてしまったかのような錯覚さえ思わせた。
バーンマイ市場入口 / Chachoengsao, THAILAND
おもちゃの上では猫たちも寝ていた / Chachoengsao, THAILAND
市場としての活気には程遠かったが、全て木造で造られた市場内にはあり過ぎるほどの趣を感じる。
すっかり古びた木のぬくもりが市場全体を覆い、トタン屋根から入り込むやわらかい光が木壁に情緒を加えている。
ここは度々テレビや映画のロケ地としても使われるらしいが、そんな自然に存在するセットの中へひとりで入り込んだようだ。
このひっそりとした静かな佇まいは平日に訪れて正解だった。
レトロな市場内はどこもかしこも感受性をくすぐるような佇みがある。
次々とカメラのシャッターを切る自分。
全てが貸しきり状態の自由さがいい。
玄関にかけられたポストとタイ国旗 / Chachoengsao, THAILAND
扉ごしのリビングからおばさんたちの笑顔 / Chachoengsao, THAILAND
ほとんどの店が閉まっていた市場内だったが、ここは普通に人々の生活も同居しており、薄暗い通路を歩けば開いたままの玄関扉の向こうから生活する人々の姿も見える。
カメラを向けていただく笑顔の温かさに、ここでのゆったりとした時間の生活を感じる。
川沿いの市場は川と交差する小さな運河を越えた向こう側にも広がり、その行き止まりまで歩くと折り返し、市場内のメインとでも言うべき川に面したレストランで昼食をとることにした。
Riverside Restaurant / Chachoengsao, THAILAND
紹介されているガイド本によれば、ここのメイン・メニューは川魚の揚げ物と旬の野菜が入った鍋料理のトム・クローン・プラー・サリット・サイ・パック・ワーンらしく、それとシンハ・ビールと川べりから見る景色とでタイム・トリップした昼食を嗜む。
左) トム・クローン・プラー・サリット・サイ・パック・ワーン
右) ロケ地としても有名なだけあって数々のスターの訪問写真も飾られている
雨季の今、不安定だった空からは突然と強い雨が降り出し、その雨もすぐにさらっと通り過ぎる。
熱帯アジアを象徴するスコールだ。
そんなアジアの一角で僕はこの市場へのタイム・トリップを楽しんだ。
雨上がりのバンパコン川 / Chachoengsao, THAILAND
ゆっくりと雨が止むのを待つように昼食を食べた後はホロ酔い気分が冷めぬまま、再びトゥクトゥクに乗って駅へと戻った。
酔いが冷めるまではこの川べりのレストランに居座る手段もあったが、ほとんどのお店が閉まった市場に長居は無用だったし、何よりも夢見心地のような心境でここを後にしてみたかった。何とも不思議な空間に感じたからだ。
百年前のタイへ入り込んだ旅。
わずか100時間のバンコクへの旅の中には、こんなタイム・トリップもあった。
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Comments
>ぴおさん
確かに…、タイは美味いです(笑)。
何ていうのか、そういった美味しいものに場所も値段も問わずにいつでもどこでも辿り着ける便利さが魅力なんですよね。
もちろん、行けるものであれば自分も行きたいで~す、タイランド。
確かに…、タイは美味いです(笑)。
何ていうのか、そういった美味しいものに場所も値段も問わずにいつでもどこでも辿り着ける便利さが魅力なんですよね。
もちろん、行けるものであれば自分も行きたいで~す、タイランド。
バンコクって、ワケの判らない観光地とかキンキラのお寺とか、理性もぶっとぶ美味しい食べ物とか、かなりテンションの上がる旅先ではありますが、一方で、東南アジアの良さも失われてない、とても魅力的な町ですよね。
食欲が全てを凌駕する私なんかは、ノスタルジーを味わうより何より食べることに驀進してしまうのですが...一体いくつになったら枯れるのやら(笑)。
いや~、でもまたバンコク行きたくなりました。
食欲が全てを凌駕する私なんかは、ノスタルジーを味わうより何より食べることに驀進してしまうのですが...一体いくつになったら枯れるのやら(笑)。
いや~、でもまたバンコク行きたくなりました。
ポストと国旗の写真、すっごく好きです。
昔々の映画の、白黒からカラーになる間にあった、名前は忘れましたが、部分的にカラーになるやつ、ああいうノスタルジックな味わいがありますね。
バンコクのあの蒸し暑くだる~んとした空気、都心の喧騒と上流の川べりの静けさ、いろんな情報が一気に脳の中で引き出されてきます。
おいしいタイ料理の喜びも(笑)。
あ~、また行きたい。
昔々の映画の、白黒からカラーになる間にあった、名前は忘れましたが、部分的にカラーになるやつ、ああいうノスタルジックな味わいがありますね。
バンコクのあの蒸し暑くだる~んとした空気、都心の喧騒と上流の川べりの静けさ、いろんな情報が一気に脳の中で引き出されてきます。
おいしいタイ料理の喜びも(笑)。
あ~、また行きたい。
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