sometime,somewhere...
Posted by sammy - 2019.09.29,Sun
street food cart / Bangkok, THAILAND
暑かった日本の夏も暦が10月を迎える頃となると、日中の残暑に名残りを惜しみつつも終わる。
夏の終わり、9月半ばにバンコクへ行った。
初めてバンコクへ行った22年前の2月、真冬の日本から降り立った真夏のバンコクに「終わらない夏」と「楽園」を合わせ思った。
この街の人たちは暑さに抗うことなく怠惰に暮らし、それを羨ましく思う僕は日々の忙しさから解放された気分に浸れた。
同じように思い感じる人たちはこの街の安宿街カオサンにウジャウジャといて、その人たちの中には「外こもり」と言う言葉で表される半移住のライフスタイルまで生み出していた。
その多くは日本で働くだけ働いてお金を貯め、そのお金を持ってこの街へ来てカオサンの安いゲストハウスに居を置くように住みつき、ダラダラと急かされない日常を怠惰に送るというものである。
中にはその生活の最中、そういった外こもり生活をつづった本を出版するものもいた。
図書館で借りたその本を読んだ時、「いいなぁ」と焦がれる気持ちと「自分にはそこまで思い切った行動は無理だなぁ」と思う気持ちから僕のプチ逃避行は今まで続いている。
1997 Khaosan Road / Bangkok, THAILAND
9月半ばの旅の際、こうした彼らの当時と今をフィクションでつづった下川裕治著の文庫版新書「生きづらい日本人を捨てる」を旅のお供にした。今回もたった3泊だけのプチ逃避行、行き帰りのLCC機内での暇つぶしのつもりだった。
バンコクを舞台にした章ではフクちゃんやジミーといった外こもり生活者の中でも代表格のような有名人(?)が紹介されていた。
彼らが面識のない僕にとって有名人なのは、これ以前にも似たような出版物に登場したり、自らの出版物があったりするからである。
特に僕より年齢が2つ上のジミーは僕が図書館で借りて「いいなぁ」と思ったバンコク沈没生活をつづった本の著者であり、彼が自ら作ってカオサンで販売していた「ジミーちゃんバス・マップ」はBTS開業前のバンコク市内の移動にはこの上なく重宝した。
alley / Bangkok, THAILAND
今回読んだ下川さんの著書によると、フクちゃんは僕と同じ静岡県内で働く身となり、ジミーは3年前に日本で亡くなっていた。
僕がバンコクからの帰りの機内でその章を読んだ時ふと、彼らの「終わらない夏」と「この夏の終わり」が脳裏を過った。いつの時も夏は終わる。しかし…。
今もバンコクの夏は終わることなく続き、それに焦がれる僕が今もいる。
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