sometime,somewhere...
Posted by sammy - 2018.03.21,Wed
children / Vang Vieng, LAOS
かつて「アジアの桃源郷」と呼ばれたラオスが、旅行者を開放したのは1996年頃だったと記憶している。
僕が海外放浪を始めたのもその頃。ラオスへは冒頭のキャッチフレーズに興味を抱き、2001年11月に初めて渡航した。
当時は成田~バンコク間を週2便エア・インディアが格安で就航しており、時間も成田正午発バンコク夕方着と利用しやすかったのでバンコク・ドンムアン空港に夕方到着して、そのまま空港横の鉄道駅から夜行寝台に乗り、翌朝には国境の町ノンカイに着いてそこからは人の流れに乗っかってしまえばメコン川に架かる友好橋を越えて陸路でラオスの首都ビエンチャンに到着だった。
Vientiane town / Vientiane, LAOS
この当時のラオスは言うなれば「夜明け前」。
実際にはすでに旅行者を開放していたから夜が明けてはいたが、印象としてはまさしく「夜明け前」だった。
市の中心部と言っても、「ここが中心部なのか?」といったエリアもあちらこちらの道路が未舗装だったし、それはパトゥーサイと呼ばれるパリの凱旋門に真似たモニュメントの周辺もそうであった。
滞在中もやることはこれといってない。逆にそのことが魅力で、そういった旅のことを「沈没」と言って流行りでもあったからこの「アジアの桃源郷」へ来たし、同じような旅人たちが世界中からわんさか来ていて、夕暮れ時ともなるとその多くの足がメコン川へ向き、そこですることと言えば美味いと評判のラオス国産ビール、ビアラオを友に、これまた極上の夕日を鑑賞することだった。
sunset time / Vientiane, LAOS
素朴さが新鮮で旅人が集まり、何もしないことを楽しむ。
理解し難い旅のスタイルが人気で、2001年当時の世界から見ればまさに「桃源郷」に映るラオスの旅は印象深く、それはバンビエンという周囲の景色が中国の山水画にも似た山郷の村をバックパッカー向けのリゾートと化した場所でもそうで、現世から離れたような場所で沈没する快感を僕は覚えた。
backpackers street / Vang Vieng, LAOS
eyes / Vang Vieng, LAOS
Nam Song river / Vang Vieng, LAOS
今のラオスは地理上と同じく、タイの延長のように町もそれなりに町らしく整っていると思う。それはそれでいいことだけど、「アジアの桃源郷」と呼ばれた時代はもう戻ってこないだろう。
旅には「行き時」のタイミングがあると思う。
2001年のラオスは今なお、思い出として残っている。
sunset / Vang Vieng, LAOS
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