sometime,somewhere...
Posted by sammy - 2014.03.28,Fri
ロヴィア村の子どもたち / Siem Reap, CAMBODIA
カンボジア滞在4日目の最終日、昼12時過ぎのフライトでバンコクへ再び戻らなければならない僕には、早起きしてでも守らなければならない約束があった。
2日前にサイハーくんと訪れたイオン小学校と彼の故郷ロヴィア村。この時、小学校で出会った村の少女4人に日本から持参した女の子用の古着をプレゼントする約束を日本語が話せるサイハーくんを通して交わしていた。
この女の子用の古着。
2年前に地元で開催した「原色のカンボジア写真展」にも来てくれた同じ職場の他の部署で働くお人好しのSさんが出発前、「8歳になる娘の着なくなった服をぜひ、村へ持って行ってください」と慈善寄付してくれたもの。
約10着あまりの古着は2,3日目にサイハーくんと周る村の中から印象に残った子どもたちとその村に最終日の朝、シェムリアップ出発前のわずかな時間を使って届けようと決めていた。
集まった子どもたち / Siem Reap, CAMBODIA
約束の朝8時。
ロヴィア村の集落が続く入口付近にあるサイハーくんの実家には、想像を上回る数の子どもたちが集まっていた。
もちろん、その中心にはイオン小学校の教室で愛嬌を振りまいていたあの4人組もいる。
僕の想像では、パパッとサイハーくんがクメール語で今日のこのことを子どもたちに話しただけだったのでまさか、こんな人数の子どもたちが集まってしかも、約束の時間ピッタリに僕らを待っていてくれたなんて驚きだったし、約10着あまりしか古着を持ってこれなかったことも後悔した。
でもこれはあくまでSさんの好意であり、日頃から感じるSさんの人柄に惹かれて僕とカンボジアとの繋がりが生んでくれたものだ。
木の下で / Siem Reap, CAMBODIA
この場には来れないSさんは善人として子どもたち、そして村人たちに称えられるよう、僕の携帯に入っていた顔写真を元に絵の上手なサイハーくんにササッと似顔絵を描いてもらっていた。
それを一晩かけてサイハーくんが色付けまでをし、立派な肖像画に仕上げたが幸か不幸か(?)、画像不鮮明が災い、いや幸いして少しばかりスマートないい顔になっているSさんの肖像画を子どもたちが囲む。
何となくヤラセっぽい進め方だが、要は子どもたちも僕らも喜べればいい。
古着はまずは、約束していた4人組から好きなものを選ばせてプレゼントをし、残ったものは集まった女の子たちの中からサイハーくんが作ったくじ引きで当たった女の子たちにプレゼントし、残念ながら外れてしまった女の子や男の子たちには飴を配らせてもらった。
村の小さな図書館から / Siem Reap, CAMBODIA
シェムリアップからバイクでも約1時間ほどかかるロヴィア村からは、遅くとも午前9時には出発しなければフライトに間に合わない。
プレゼントをした後は子どもたちに手を引かれるようにして村の中を回り、その所々でもらった服を着て喜んでいる女の子たちの写真を撮らせてもらった。
おそらくは日本で捨てられるだけだっただろう服が、カンボジアの村で暫しの夢を与えた。
Sさんの肖像画も最後は、誰もが通りかかる場所にあるサイハーくんの実家の外柱に貼られた。
「また来年来たいね!」
サイハーくんとも別れ際にそんな言葉を交わした。
肖像画 / Siem Reap, CAMBODIA
あれから2ヶ月、日本は春を迎え、僕もSさんも4月1日付の人事異動の内示をいただいた。
「こんなボロい職場はない!!」
これが異動前、今の職場にいた僕が3年間愚痴り続けた言葉で、困ったときにいつも嫌な顔をせずに応じてくれたのがSさんだった。
今思えばこの古着ボランティアは、ボロ過ぎるほどボロい職場が生んだ最後の結集だった。
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