sometime,somewhere...
Posted by sammy - 2011.12.06,Tue
am6:36 / sunrise / Giri Air, INDONESIA
今年1年をふり返るにはまだまだ早いが、7月に行った「最後の楽園」ギリ・アイルへの旅は間違いなく自分自身へのターニング・ポイントとなった。
そもそも、この旅を誘った6連休は予期せぬ休みであり、この島へ誘ったのも6月のラオスでの旅話からだった。そう、すべてが計画ではない成り行きであって、その頃の自分はというと慣れない職場環境に悩みに悩んでいた。
とにかく、逃げ出したい。
その先が「最後の楽園」だと知って飛びついた。それが、現地滞在時間が3日に満たない旅でも。
出発の直前まで仕事が忙しかったから準備も何もかも半端な状態で旅に出て、翌日の夕暮れ後にはチドモと呼ばれる馬車に乗って闇に沈んだ島の道を宿へと向かっていた。
泊まった宿は「キラキラ・コテージ」というかやぶき屋根のコテージで、奥さんは日本人だったが直前に帰国して不在で、旦那のタカが空港からの送迎も手配してくれた。
決してキレイと言えるコテージでもなかったが、それなりに快適で、ビーチから100mほど奥まった環境にありながら波の音が絶えず聞こえる。
気持ち良いほどにグッスリと眠りにつけ、小鳥のさえずりと波の音に加えて鶏の鳴き声が聞こえる頃、夜明けの近さを教えてくれる。
対岸にあるロンボク島に聳える名峰リンジャニが朝焼けの空にシルエットに浮かび、やがて眩しく朝日が昇る。
1日が始まり、南国の強い日差しが美しい海を照らす。
am11:40 / beach / Giri Air, INDONESIA
小さな島には車もバイクもなかったから、聞こえてくるのはパカパカ走るチドモの駆ける音ぐらいだった。
人々の生活の音はいたって静かで、島の人々は見ず知らずの旅人であろうが目が合えば挨拶をしてきた。
だからなのか、何をするわけでもない、ただ、そこにいるだけで満足な気持ちになれた。
日中堂々ビールを煽ってはビーチで寝そびり、時に小さな島内を自転車で走り回っては島の人々の生活にふれる。
やがて夕暮れが近づくと西側のビーチへと向かい、夕日と対面する。
海の向こうから昇った太陽が再び海の向こうへと沈む。
小さな島ならではの光景だった。
夕闇が消える頃、島は一段と静けさを増す。
喧騒とは無縁のありのままの生活がそこにはあり、そこに自分自身の「楽園」を実感した。
pm17:06 / children / Giri Air, INDONESIA
pm18:06 / sunset / Giri Air, INDONESIA
帰路、経由するシンガポールからの便が搭乗後に機材トラブルで欠航となり、結局その日は深夜24時近くに羽田到着の便へと搭乗変更を余儀なくされた。
翌日の勤務は電話で変更の申し出をして承諾されたが内心、もうどうでも良くなり、島で過ごした時間とこの欠航で何かが吹っ切れたと今になって思う。
「人間万事塞翁が馬」であり、流れるままに生きてゆければ何とかなる。
この旅がそれに気づかせてくれた。
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