sometime,somewhere...
Posted by sammy - 2010.06.27,Sun
その日はポカラからカトマンズへ戻るフライトが何も説明がないまま大幅に遅れた。
当初のスケジュールでは午前9時半にはカトマンズへ到着をする。だから、その時間に合わせてプラカスも空港で待っていたが結局、フライトは出発が3時間も遅れた。
カトマンズ到着は午後12時半を過ぎたが、それでもプラカスは12歳になる次男を連れて待っていてくれた。
彼との出会いは1年前、偶然だった。
そのくだりや、当時の彼のことは「カトマンズの日本語教師」でもふれている。
あれから1年。現在の彼は無職だが、何とか食いつないでいると言った。
* * *
フライトが大幅に遅れたことで、空港からは同じフライトで到着した日本人3人も同乗してタメル地区へ向かうこととなった。
1人は30代の一人旅男性、もう2人は年配の女性2人で、僕を含めたこの4人はホテルの予約もしていなかったことからプラカス自らが安いホテルを紹介すると言うことにもなった。
元来が明るい性格のプラカスだが、散々待たされた上に日本人が4人もやって来たことでテンションは上がっていた。
後で気づいたことだが、プラカスの食いつなぎには、こうして日本人の旅の世話をすることが大きいこと。
だが、決してボッタくるわけでもなく、ガイドのようなお世話をして御礼をいただく。
言わば、モグリのガイドのようなものだが、平均月収が6000円程と言われるこの国においては、それも貴重な食いつなぎだったようだ。
ただ、その事情を理解するまで、僕には彼のテンションの高さと過剰な親切が煙たくも感じた。
* * *
空港まで迎えに来てくれたプラカスだったが、その後はまるで僕も含めた日本人4人の添乗員のようになってしまったことからその翌日、僕は自ら個人行動を申し出て予定を変え、自転車を借りて1人でパタンへ行っている。
但し、プラカスにはこの夜の約束は守るようにと言っておいた。
その約束とは、僕からプラカスの家族へ食事をご馳走する約束で、おそらくはアチラコチラお世話になるだろう御礼の一貫として提言していた僕からのささやかな気持ちだった。
約束の午後7時、タメル地区の中ほどにある「桃太郎」にプラカスと奥さんのジャヤスリ、長男のプロジェン、空港へも一緒に出迎えに来ていた次男のプロジェスの4人がやって来た。
奥さんや長男とは初顔合わせだったが奥さんは美人だし、学校での成績が1,2番を競うと言う長男はいかにもインテリそうな顔つきをしている。
対して、愛くるしい顔つきの次男はプラカスの明るく陽気な性格がそのまま乗り移ったかのように似ている。
「桃太郎」の店先にて左からプロジェン(18)、ジャヤスリ(36)、プロジェス(12)、プラカス(40)
プラカスが日本語堪能だったこと、奥さんと長男が英語を話せたこともあったが、次々と運ばれる日本食を食べながらのプラカス一家との宴は楽しいひと時だった。
長男は海老チリ、次男はチーズフライが美味しかったと言い、そんな子供達の姿にプラカスも奥さんも嬉しげだった。
この家族を見るにつけ、プラカスには定職を持って働いてもらいたい気持ちが強くなったが、僕からの言及は避けることとした。
ネパールにはネパールの現実があるだろうし、プラカスには何よりも、後見人のような存在でもあるT先生が付いている。
だから僕は帰国後、T先生にその様子についてメールで相談をしている。
T先生も「私も以前から同じようなことを感じていました。今度ネパールへ行った際に相談してみます」との返事をいただいた。
そのT先生からは先日、このようなメールをいただいた。
「プラカスともゆっくり話しました。彼は定職がなくどこかで収入をいつも考えています。そこを理解してやってください。私はネパールに行くたびに友人を一人増やすとプラカスに言っています。そこでプラカスも私を真似、何かのきっかけで日本の友人を増やそうとしたようです」
Tamel, Kathmandu, NEPAL
ここ数日、僕の中でもネパール熱みたいなものが沸々と再沸してきている。
それは9月末に1週間強の休暇が取れそうで、ネパールでは雨季が明け、乾季へと入る最も輝く季節だからだ。
去年の旅でネパールを発つ最後の日の朝、僕の日記にはこう記されていた。
「この国にまた来れるのか分からないが、もういいやと思う気持ちも大きいし、今は満足だ。 --中略-- もし、今度来れた時、プラカスの家族はどうなっているのだろう? --中略-- いつかまた、来れるのであればいい…」
その日を迎えるか否か、今はまだ迷っている。
当初のスケジュールでは午前9時半にはカトマンズへ到着をする。だから、その時間に合わせてプラカスも空港で待っていたが結局、フライトは出発が3時間も遅れた。
カトマンズ到着は午後12時半を過ぎたが、それでもプラカスは12歳になる次男を連れて待っていてくれた。
彼との出会いは1年前、偶然だった。
そのくだりや、当時の彼のことは「カトマンズの日本語教師」でもふれている。
あれから1年。現在の彼は無職だが、何とか食いつないでいると言った。
* * *
フライトが大幅に遅れたことで、空港からは同じフライトで到着した日本人3人も同乗してタメル地区へ向かうこととなった。
1人は30代の一人旅男性、もう2人は年配の女性2人で、僕を含めたこの4人はホテルの予約もしていなかったことからプラカス自らが安いホテルを紹介すると言うことにもなった。
元来が明るい性格のプラカスだが、散々待たされた上に日本人が4人もやって来たことでテンションは上がっていた。
後で気づいたことだが、プラカスの食いつなぎには、こうして日本人の旅の世話をすることが大きいこと。
だが、決してボッタくるわけでもなく、ガイドのようなお世話をして御礼をいただく。
言わば、モグリのガイドのようなものだが、平均月収が6000円程と言われるこの国においては、それも貴重な食いつなぎだったようだ。
ただ、その事情を理解するまで、僕には彼のテンションの高さと過剰な親切が煙たくも感じた。
* * *
空港まで迎えに来てくれたプラカスだったが、その後はまるで僕も含めた日本人4人の添乗員のようになってしまったことからその翌日、僕は自ら個人行動を申し出て予定を変え、自転車を借りて1人でパタンへ行っている。
但し、プラカスにはこの夜の約束は守るようにと言っておいた。
その約束とは、僕からプラカスの家族へ食事をご馳走する約束で、おそらくはアチラコチラお世話になるだろう御礼の一貫として提言していた僕からのささやかな気持ちだった。
約束の午後7時、タメル地区の中ほどにある「桃太郎」にプラカスと奥さんのジャヤスリ、長男のプロジェン、空港へも一緒に出迎えに来ていた次男のプロジェスの4人がやって来た。
奥さんや長男とは初顔合わせだったが奥さんは美人だし、学校での成績が1,2番を競うと言う長男はいかにもインテリそうな顔つきをしている。
対して、愛くるしい顔つきの次男はプラカスの明るく陽気な性格がそのまま乗り移ったかのように似ている。
「桃太郎」の店先にて左からプロジェン(18)、ジャヤスリ(36)、プロジェス(12)、プラカス(40)
プラカスが日本語堪能だったこと、奥さんと長男が英語を話せたこともあったが、次々と運ばれる日本食を食べながらのプラカス一家との宴は楽しいひと時だった。
長男は海老チリ、次男はチーズフライが美味しかったと言い、そんな子供達の姿にプラカスも奥さんも嬉しげだった。
この家族を見るにつけ、プラカスには定職を持って働いてもらいたい気持ちが強くなったが、僕からの言及は避けることとした。
ネパールにはネパールの現実があるだろうし、プラカスには何よりも、後見人のような存在でもあるT先生が付いている。
だから僕は帰国後、T先生にその様子についてメールで相談をしている。
T先生も「私も以前から同じようなことを感じていました。今度ネパールへ行った際に相談してみます」との返事をいただいた。
そのT先生からは先日、このようなメールをいただいた。
「プラカスともゆっくり話しました。彼は定職がなくどこかで収入をいつも考えています。そこを理解してやってください。私はネパールに行くたびに友人を一人増やすとプラカスに言っています。そこでプラカスも私を真似、何かのきっかけで日本の友人を増やそうとしたようです」
Tamel, Kathmandu, NEPAL
ここ数日、僕の中でもネパール熱みたいなものが沸々と再沸してきている。
それは9月末に1週間強の休暇が取れそうで、ネパールでは雨季が明け、乾季へと入る最も輝く季節だからだ。
去年の旅でネパールを発つ最後の日の朝、僕の日記にはこう記されていた。
「この国にまた来れるのか分からないが、もういいやと思う気持ちも大きいし、今は満足だ。 --中略-- もし、今度来れた時、プラカスの家族はどうなっているのだろう? --中略-- いつかまた、来れるのであればいい…」
その日を迎えるか否か、今はまだ迷っている。
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