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sometime,somewhere...
Posted by - 2025.02.09,Sun
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Posted by sammy - 2009.04.19,Sun

澄み渡ったカトマンズの空

桜がつぼみを開き始めた今月始め、京都へ1泊2日の小旅行へでかけました。
旅の名目としては、「桜」、「18切符」、「たまたま連休」でしたが、それらよりも何よりも「京都へ行こう」と思った動機には昨秋行ったネパールでのつながりがあります。
それは、よくある旅先での偶然に偶然が重なる出会いから始まったものです。

* * *

駆け足だった僕のネパールの旅は9月末の金曜日にカトマンズへ到着し、そのままパタン~ポカラ~カトマンズと周る1週間の旅でした。

ポカラにはネパール到着翌日の土曜午後のフライトで行き、日、月と過ごして火曜日にはカトマンズへ向かう強行軍の日程を立てたものの、3日目にあたる月曜日の天気はあいにくの雨模様。
まだ雨が降り出さない早朝こそサランコットの丘へ行ったものの、夜が明けてもお目当てのヒマラヤは見えずじまい。
下山途中に立ち寄ったホテルのオーナーで、この朝のツアーのガイドも同伴してくれたダカールの実家に着いたあたりから雨は降り出し、晴れる気配のないこの1日の空模様に僕の気持ちは動きます。
実はこの時点で翌日の移動をバスにするか、飛行機にするかはっきりと決めておらず、おおよそ気持ちはバス移動で決めていたもののチケットは購入前だったこともあり、頭に浮かんだのはこの何をするのか迷ってしまう空模様になってしまった今日、今からの移動です。

IMG_2381.JPG
サランコットの丘の中腹から見える景色も雨…

ホテルへ戻って一休みした午前10時、無礼を承知で今日1日のホテルのキャンセル、そして今からでも間に合う航空便のチケットの相談をすると、思わぬことにオーナーのダカールはOKの返事をくれました。
こういったところがネパール人のおおらかさです。

その恩恵に授かり、急遽購入したエアチケットを手に空港へ、そして昼過ぎには予定を1日繰り上げる形でカトマンズへと到着したわけです。

まずは宿探しということで空港から乗ったタクシーにタメルの中心地、タメル・チョークへ向かうように行き先を告げます。とりあえず、そこで降りてから歩いて宿探しをする思惑です。

IMG_2508.JPG
ツーリスト向けの看板がひしめく雑踏のタメル

この時点で傘をささずにすみそうだった雨は空港からタメルへ向かう数分の間に豹変し、やがて土砂降りの雨へと変わります。
この時僕は初めてのカトマンズ、そしてタメルでしたが、宿の看板や食堂、旅行会社らの看板が目立ち始めるタメルらしき地区へと入った頃には水はけの悪い道路わきは洪水のように雨水が流れ、激しく降る雨は傘をさしたとしてもとても宿探しを出来るような状況ではありません。

お腹も空いたしトイレへも行きたい。
まずはタクシーを降りて宿探しから一転、遅い昼食と雨宿りをするために車内でガイドブックを慌てて広げ、タメル中心の通り沿いにある日本食レストラン「桃太郎」をその場所に選び、そこで降ろしてもらえるように行き先変更を指示します。
そして飛び込むように入った「桃太郎」。

案内された奥の座敷で談笑していたのはネパールで幅広い活動をなされている京都のY夫婦ことパパとママ、大阪の元高校教師Tさんこと先生、そして彼らのNPOのスタッフも勤める日本語ペラペラのネパール人、プラカスでした。

P1010121.JPG
「桃太郎」ポカラ店オープン準備のためポカラへ向かうパパとママ、そして右端が桃太郎オーナー

プラカスこそ年齢は40手前だったもののパパとママ、そして先生もいわゆる団塊の世代。そして、関西人そのものの明るくテンションの高い会話にのせられて、この突然の雨宿りは楽しいひと時を過ごします。

そして、この時の縁で僕はその翌日、プラカスのバイク案内でカトマンズ郊外のブングマティやキルティプルといった村を訪れたり、彼が教える日本語教室へ遊びに行ったり、パパとママには彼らの定宿「ノルブリンカ・ホテル」を格安で紹介してもらったり、先生には最終日の夜、美味しいネパール料理をご馳走になったり、わずか3日半だけの滞在ながらカトマンズでの楽しい思い出をいただきます。
まさに、土砂降りの雨の恩恵です。

さらに、この土砂降りの雨は僕にもうひとつの思わぬ出会い、いや、再会をもたらします。
雨が小雨になりだした頃、「桃太郎」で食事を終えて外へ出ると偶然にもその前日、ポカラのレイクサイドで遭遇した日本人女性Aさんとバッタリ出くわします。彼女は今日のバスでポカラからカトマンズへ移動してきたばかりで、これからお目当ての宿へ向かう途中でした。

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のどかな景色が続くレイクサイドの道

前日、彼女と会った場所はレイクサイドといってもそこはゲストハウスなどが建ち並ぶにぎやかな場所ではなくかなり奥まったのどかな場所で、僕は自転車、彼女はポーターらと一緒にトレッキングの帰りでした。
場所が場所だっただけに思わず遭遇した日本人と短い会話を交わしただけでその場は「じゃあ、元気で!」と別れたものの、ここカトマンズの雑踏のタメル、それも土砂降り雨の後に店から出た場所でお互いに「アッ!」と反応を見せて再会するとは。

彼女はその後2日間、共に食事をした場所でパパとママ、そして先生やプラカスとも知り合い、僕を除いた4人が関西だったこと、そしてパパとママが京都のAさんが働く近くでネパール料理店を開いていることから、「いつか食べに行きましょう」という話にもなったわけです。

そもそもはこの出会い云々以前から「秋に京都へ行きたい」願望は持っていたものの結果的に去年の秋は自分自身の都合が付かずに年を越し、巡ってきた春に「たまたまの連休」があったことから僕を京都へと、そしてネパールのカトマンズで会った皆さん方と再会できる羽目になったわけです。

* * *

パパとママのネパール料理店「マチャプチャレ」は京都駅にも近い七条京阪駅近くにあります。
仕事を終えたAさんとここで待ち合わせ、ネパールでいただいたお店のチラシを頼りに店へと向かいます。
「あっ、ここだ」と見つけた店の中には先に待っていた先生の姿が奥に見えます。

ロッジ風の店は入り口で靴を脱いでスリッパに履き替える「お邪魔式」で、京都の古風な住宅街の静かな角にありながらまるで、どこか山小屋風のゲストハウスに招かれたかのような錯覚さえ覚えます。
とにかく、木の香りにつつまれた素敵な内装、雰囲気です。

料理はすべてお任せでしたが、出てきたのはネパール料理ではなく京風の「おはんざいセット」でした。

IMG_2512a.JPG

残念ながらパパはポカラに昨年11月にオープンした「桃太郎」の切り盛りで不在でしたけどママはあの時と同じハイテンションなノリで大喜び!
ネパールの話、旅の話、プラカスの近況…。
久々の再会に話も弾み、宴は夜9時過ぎまで続きます。

思えば、この出会いは本来ならばなかったはずだったわけです。
僕が予定通り、火曜日のバスでポカラからカトマンズへ向かっていたとしたら、その火曜日にカトマンズからポカラへと向かったY夫婦とはどこかの道の途上ですれ違っていただけだろうし、プラカスに会うことも先生に会うことも、そしてAさんと再会することもなくすべてが何もなく終わっていたわけです。

そう考えると、この京都での再会、そして食事は不思議な運命の糸を感じます。
きっと、どこかでつながっていたんでしょうね。
そして、そのつながりをもたらしたものが雨、それも土砂降りの雨だったこと。

いつの旅でも巡りあえばやっかいな思いをする旅先での雨が、時として出会いや再会をもたらしてくれる「ラッキー・シチュエイション」になったこと。
思えば昨年はラオスでもそうでした。

あの土砂降りの雨、曇天で姿さえ見えなかったヒマラヤはその代わりに僕に旅のつながりを与えてくれたのかもしれない。

カトマンズから京都へとつないでくれた雨に感謝です。

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パパとママのネパールカレーとおはんざいのお店「マチャプチャレ」
営業時間:11:30~20:00
〒605-0991 京都市東山区鞘町通り正面西入る上堀詰町290ー2番地
TEL&FAX075-525-1330
http://yaokan1748.exblog.jp/

*場所は京都駅から七条通りを東に歩き、鴨川を渡って2本目の鞘町通りを左折。
最初に交差する正面通りとの角にあります。京都駅から徒歩15分。

現在は主に息子さんたちが切り盛りしています。
お近くにお越しの際にはぜひともお立ち寄りください!
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Posted by sammy - 2008.10.26,Sun


本サイト「さまよいの地球」にネパールのフォト・ギャラリーを開設しました。
その名もズバリ、「ヒマラヤが瞳に映る」です。キザっぽいですが(笑)。

いつもだいたい、こうして旅先で撮影した写真をまとめたギャラリー・サイトを作る時は、
旅をしている最中に浮かぶフレーズがあったりするんです。
何かこう、強烈に意識する言葉みたいなものが。
今回はそれが、「ヒマラヤが君の瞳に映る」だったんです。
これはその昔、「ガンダーラ」のヒットで有名なゴダイゴが、
その路線(?)で北上し(いや、二番煎じ?・・・笑)、
ネパールをテーマにした曲を作ったんですね、「カトマンズ」というやつを。

今回たまたま、出発前夜にしてその曲の存在を思い出し、
MDにも入れなおして聴いてみたんですけど、これがハマリました(笑)。
二番煎じなのに(笑)、現地であらためて聴いてみるとジーンとくるものがあるんですよ。
そして、その曲の歌詞の中にあった印象的なフレーズが、
「ヒマラヤが君の瞳に揺れる」だったんですけど、
僕は都合よく(?)聞き違えていて、
それが、「ヒマラヤが君の瞳に映る」だったわけです。

そんなパクリから生まれた副題ではありますが、
僕のネパールの印象そのものが、ヒマラヤを映す瞳だったような気がしてならないんです。
例えば、外国人が「富士山=日本」と感じることと同じように、
「ヒマラヤ=ネパール」であり、人々の象徴として瞳(心の中)に映っていると思うんですよね。
たぶんそれは、UPする写真全体から感じ取っていただけると思います。

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まずは、1,2日目のパタンからダルバール広場周辺をメインとした、
「美の都 -Lalitpur-」をUPしました。

このパタンは2部構成にする予定で、
次回UP予定は路地と、そこで楽しむ人たちをメインに集めたもの。

まだまだ全編UPとまではいきませんが、
ポカラ編はレイクサイドを中心とした1部構成、
カトマンズ編はカトマンズ盆地郊外を中心とした風光明媚なものと、
タメル地区を中心としたカトマンズの雑踏、人々などの2部構成にするつもりです。

写真への感想、意見などもぜひぜひ、寄せてください!
Posted by sammy - 2008.10.22,Wed


パタン~ポカラ~カトマンズ。
ネパールへの入国日と出国日を入れても7日間しかない短き旅の行程に、
ポカラへ行くか否かは悩まないこともなかったですが、
「マッタリできる」、「ノンビリできる」、「空気が美味しい」、「喧騒から離れられる」等など、
いくつものポカラを語る上でのフレーズに惹かれてしまったんですよね。

当初はポカラまでの移動は陸路と空路、半々のつもりでいました。
日程的に厳しいにもかかわらず陸路を考えていたのは、
「車窓の景色を眺める1日もアリかな?」と考えていたんです。
予算的にも陸路の方が圧倒的に安かったし、
できれば行きに陸路を使いたかったのですが、ここで問題が。
有視界飛行のネパールの国内線は天候次第で頻繁に欠航になるということ。
帰路を空路移動で考えた場合、帰国前日の移動は万が一のリスクを伴なうということ。
そうなると、この短い日程でポカラへ行く場合、
帰国前々日にはポカラからカトマンズへ戻ることが安全策でもあり、
ゴチャゴチャ考えて出た結論がネパール到着翌日にポカラへ空路で移動するということ。
昨今の燃油高の影響で、片道$98の航空券は躊躇する気持ちもあったけれど如何せん、
こちらは旅の日数が足りない!

ま、順調に飛んでくれれば30分足らずのフライトだし、
空からヒマラヤ連峰だって見れるわけだからある意味、お値打ちなのかも??
てなわけで無理矢理(?)納得!

航空券は予め初日の宿「ペンション・スザータ」で手配をお願いしました。
$98の代金というのは各航空会社の固定価格で、どこで購入しても同額らしいです。

フライトの出発時間は13時。
パタンの宿を出発したのが11時半だったから、
午前中にパタン散策を半日楽しめたのも空路の利点。

P1010093.JPG
計画停電中で薄暗かった国内線待合室兼搭乗口

空港まではタクシーで約20分。
ターミナルは国際線と国内線が別々に分かれていて、
国内線のターミナルはまるで、思いっきりタイムスリップしたかのような趣。
と言うか、ターミナルというには程遠い、
場末の工場跡みたいな小さな建物が、それ。

国内線とは言えども一国の首都の空の玄関口なのに、
各航空会社のカウンターは屋台みたいだし、
その横に設置された計りだってその昔、お米屋に置いてあったような年代物だし…。

ちなみに、搭乗する際のアナウンスは地声でした(笑)。
搭乗口に表示などは一切無し。
「イエティ~、139、ポカラァ~」と搭乗口で叫ぶ声が搭乗開始の合図。

飛行機はおよそ60人乗り程度のプロペラ機で、
全席自由なのでヒマラヤの眺望が素敵だと言う右窓側をゲット!
機内は意外にも満席でした。

P1010096.JPG
30分未満のフライトなのにスチュワーデスさんも!

定刻よりもやや遅れてカトマンズを飛び立った小さなプロペラ機はまずは、
カトマンズ上空をゆるやかに上昇し、
やがて、山々を見下ろす眺望へ。

飛び立ってから降り立つまで30分にも満たない短いフライト中には、
ジュースやピーナツのサービスもあるし、
小さな窓からは雲の合間に雪を被ったヒマラヤ連峰も見え隠れします。

ある意味、空からのダイナミックな眺望が楽しめる事を考えれば、
空路の片道$98の移動は賢い選択だったのかもしれないです。

午前11時前にパタンの路地裏で人々の写真を撮っていた自分が、
午後2時にはポカラの宿で一休みしている。

喧騒から静寂の景色へひとっ飛びです!

P1010098.JPG
ポカラ空港