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sometime,somewhere...
Posted by - 2025.02.02,Sun
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Posted by sammy - 2014.05.16,Fri

main bazar / Dehli, INDIA


旅の行き先を選ぶ時、あれこれと様々な模索を繰り返しながら、最後はゆるぎない気持ちへと変わり、決断に至る。
いつの旅もそうだが、何度も検討を重ねた挙句に決めた行き先へは期待感もさることながら、ちょっとした不安も入り混じった危うさも伴い、いざ到着してみると、とんでもなく不安な気持ちに苛まれることもある。
それが旅慣れたバンコクやカンボジアだったら、ワクワクする気持ちで到達しただけでうれしさを隠しきれないほどの興奮に包まれるかもしれないが、過去に行った場所であってもそうなるとばかりは限られない。それも、何度となく検討を重ねた結果の場所であっても…。

去年6月のインドがそうだった。
6年ぶりに降り立ったデリー国際空港は新装され、それまでの暗く包み込まれるような到着時の印象はどこ吹く風だったが、外へ出ると深夜だというのに火に包まれたかのような暑さはまだそこに残っており、おまけに出迎えに来るはずだった男も見当たらない。
その男を見つけたのはそれから数十分後で、暗いデリーの夜道と乱暴が当たり前の運転は不安を増幅させた。
着いたホテルも値段のわりには古びており、旅の初日にしてはテンションも上がらない。
まあ、ここはインドだから、デリーだからと言いわけるように床に就く。



under the tree / Jaisalmer, INDIA


翌日はデリーから一気にラジャスタンのジョードプルまで飛行機で飛び、そこからはバスでジャイサルメールを目指した。
午後1時発のバスに間に合い、座席に着いた当初は空いていたが、出発時間にもなると冷房のない車内は満員の乗客で蒸し返り、窓から吹き入る風がオアシスだったが、外の気温はゆうに40度を超えており、涼風ならぬ熱風は異常なまでに水分補給を欲し、発車して間もないというのに手持ちの残り水分量と到達までの時間との配分に苦慮をした。
多めに用意はしていたものの、どう考えても欲する量には足りないから、チビチビと我慢しながら水分補給をする。その何十分に一度の補給が乗車中のオアシスのようだった。

さらに圧巻だったのは途中、斜め後ろに座るオヤジに「窓を閉めてくれ」と言われたことだった。
冷房のない40度越えの車内で窓を閉めろとは自殺行為だが、そのオヤジにしてみれば窓から入りこむ熱風の方が我慢ならなかったようで、その辛さは確かに伺えた。
そうなると…、このバスはまさにサウナのようで、車窓から流れゆく砂漠の景色を眺めながら、ただひたすらに冷えたビールを思い浮かべながらジャイサルメールの町へ到達するのを待った。

この4時間半にも及ぶサウナ・バスは思い描いていた旅の楽しみだったのか?
さんざん検討を重ねた結果の旅がこれである。
だが、旅はこればかりではない。
さまざまな経験、体験を重ね、熟し、結実となるのが旅である。
暑さで培った苦しさは僕自身への糧となり、忘れがたい思い出となった。

旅に冒険する気持ちは必要である。
いつもそんな旅を求めるわけではないが、不安があってこそ旅は本当に成就する。


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Posted by sammy - 2014.05.06,Tue

a house in the desert / Thar Desert, INDIA



smiling boys / Thar Desert, INDIA



desert / Thar Desert, INDIA



砂漠の民 / Thar Desert, INDIA



sunset and camel / Thar Desert, INDIA


何もない砂漠に身を置くと、人は逆に何かを得られる気持ちが起こります。
地平線を見渡す広さ、輝き、静寂の中から沸き起こるエモーション。
何もないことへの贅沢。それが砂漠への旅だった。


Posted by sammy - 2014.04.25,Fri

old woman in the alley / Jodpur, INDIA


日本では初夏の季節でも6月のインド、とりわけラジャスタン地方の夏は暑かった。
日中は当たり前のように気温40度をゆうに越える。朝晩だって30度は超えている。
そんな中、人々は活発に動こうなんて行動も、その発想も生まれてこないのが現実。
それでも、ギラギラし過ぎた昼間の暑さが幾分和らぎ、鬱陶しいほどの熱を発した太陽も傾き沈みかけようとする夕時、人々からは何だか元気を取り戻したかのような活気を少しばかり感じる。



軒先にて / Jodpur, INDIA



駄菓子屋にて / Jodpur, INDIA



視線 / Jodpur, INDIA


ジャイサルメールから列車で6時間半。
ジョードプルでは紹介されたディスカバリーGHに泊まり、荷を降ろし、暑さも和らいだ夕時、迷路のように入り組んだ周辺の路地を散策した。
人々は至ってフレンドリー。
「撮れてしまうのがインド」であり、顔立ちの整った強い眼光のインド人たちがカメラを向ければ次々と視線を向けてくれる。



peace! / Jodpur, INDIA



smile in the house / Jodpur, INDIA



老婆の笑み / Jodpur, INDIA



老婆たちの夕涼み / Jodpur, INDIA


「お互いにこんな暑さの中でよく頑張ってるねぇ」
「暑いね、暑いね」

会話なくとも、そんな会話を交わしたかのような呼吸を自然と感じる。
路地裏と言う狭く細い生活空間の中で、みんなが共同体として生きていた。
そして、その中に僕もいた。
幸せを感じる時間だった。